私はうつサバイバーです。
約10年間、体調が安定しない日々を過ごし、当時は人並みに動けない自分を責めてばかりでした。
でもそこから這い出すきっかけになったのが、セルフコンパッションです。
今回は、当時の私と同じく
- 自分に厳しくなりすぎてしまう
- 自分が大キライ
- 自己肯定感が低すぎる
そんな方にぜひおすすめしたい、セルフコンパッションについてご紹介します。
セルフコンパッションは、時間さえかければ誰でも身に着けることができます。
幸福度がすごく上がるので、よかったら参考にしてくださいね。
生きづらさの原因は、心の中にいる「鬼教官」のせい
私は長年、頭の中にいる鬼教官(のような声)に悩まされてきました。
鬼教官は常に私の行動を観察していて、
「人並みにすらできてないぞ、どうすんだ!」「この役立たず」「もっと根気出せ!」「頑張らないお前には価値がない!」
と暴言を吐き続けます。
このときの心境をたとえるなら、入った覚えのない軍隊にいつの間にか所属してた…っていう感じかな(遠い目)
お、おそろしか…((((;゚Д゚))))
でもSNS等を見ていると、私と同じく鬼教官にしごかれている人、結構いるみたいなんですよね💦
そういう人って、たいてい根が真面目で、優しい人。人を傷つけないかわりに、自分が傷ついてる。
外野から見ると「あなたはそのままで十分!むしろがんばりすぎ!」って言いたくなるのに、
自分には厳しくしてしまう。なんなのコレ。
…こういうときに役立つのが、セルフコンパッションです。
鬼教官の影響力を小さくするトレーニング「セルフコンパッション」
セルフコンパッションは直訳すると「自分への思いやり」のこと。
取り組むにあたっては、3つのポイントがあります。
セルフコンパッション①「自分へのやさしさ」を大事に
1つ目は、自分に優しくすること、です。
思い通りにいかなかったときや、ガッカリしたとき、私達はつい厳しい声かけを自分におこないます。
でもちょっと待って!
このときのセリフを、もし自分の大切な人に言ったらどうなるでしょうか。
また失敗しちゃった…。ボクってホントダメなネコだなあ…。
ホントダメだね。何やってもダメダメだね。生きてる価値もないよね。
なんか消えたくなってきたにゃ…。
…少なくとも、良い関係は築けそうにないw
ここまでひどいセリフ、どんなに憎たらしい人だってさすがに言わないと思います。
でも自分に対しては言ってることも多いから…だから怖いんです!!
自分への暴言は、不信といらだちを生みます。
自分になら、何を言ってもいいわけじゃないのです。
だから、まずは優しく接することを心がけましょう。イメージとしては「親友に話しかけるように」です。
また失敗しちゃった…。ボクってホントダメなネコだなあ…。
誰にだって失敗はあるよ。でもがんばってたのに、つらかったね。
ウン…。わかってくれてありがとう…💕
感情に共感してあげる(つらかったね。がんばったね。悲しかったね。腹が立つよね)と効果的です。
セルフコンパッション②つらいのは自分だけと思わない
2つ目。誰でもつらいことはある、ということを理解しましょう。
自分だけ…と思うのをやめると、孤独感がうんと和らぎます。
世の中には「いつも楽しそうな人」「とてもしんどそうな人」など、いろんなタイプの人がいますが、
誰もが幸・不幸の波を味わいながら生きています。
金銭面では豊かでも実は孤独だったり、才能豊かでも劣等感に悩んでいたり、順風満帆に見えても過去につらい思いをしていたり…。
幸せなだけの人生なんて、有り得ません。
それでも「自分だけが特別つらい」と思うときは、「思い込み」というフィルターで視野を狭めてしまっているんです。
一見つらいと感じることに対して、どういう意味付けをするか。
その反応の違いが「いつも楽しそうな人」「いつもつらそうな人」に分かれるんだと思います。
セルフコンパッション③「今ここ」に意識を向け、ジャッジしない
最後は、目の前のことだけに集中し、ありのままを観察する(評価・判断をしない)こと。
思いもかけないことがあったときは、ジャッジせず、つらい・悲しい気持ちをそのまま味わいます。
(たいしたことないと問題を小さくしたり、逆に「失敗したから自分はダメ」と問題を大きくしたりしない)
これをマインドフルネスといいます。
「~でなきゃ」「~はおかしい」「~のはず」という思い込みでジャッジすると、失敗した→失敗したのは自分がダメなせい→もうこんな自分は嫌だ→消えたい… っていう極端な考えになっちゃうもんにゃ~。
うつ真っ盛りのときなんて一足飛びで、失敗した→消えたい になってたよ。色々はしょりすぎててあきれちゃうけど、本人はいたって真剣なんだよね…。
余計なジャッジをはさまず、今の状況や、感情だけにフォーカスします。
そうすれば、さっき①で紹介した「自分へのやさしい言葉がけ」も出てきやすいでしょう。
「自分への厳しさ」は改善できる
以前は、前向きな性格って生まれつきのものだと思っていました。
もちろん、生まれつきポジティブな人もいるでしょう。
でも、後天的にポジティブさを身につけていくことも可能なんです。
私は、セルフコンパッションの練習を始めて4年になりますが、最近本当に性格が丸くなったと思います。
何か失敗することがあっても、長々と自分を責めることはありません。
その瞬間は「チェッ」と思っても、条件反射のように今度は慰める言葉が出てくるようになりました。
鬼教官が、やさしい養護教員になったような感じ…✨
変われば変わるもんだにゃ~。
性格は、思考パターンが変われば変わります。
以前は誰よりもネガティブだった私が、最近ではまわりに「大丈夫!最善に落ち着くよ」とか「なんとかなる!」って言ってるんだから、
びっくりするでしょ?(私が一番ビックリしてます)
セルフコンパッションにおすすめの本
セルフコンパッションをやってみたい!と思ったら、本を読む方法がおすすめです。
私は、こちらの本を使いました。
ワーク形式になっているのがポイント。自分の思いをありのまま書き出していけます。
心の整理ができ、自分を客観的に見やすくなるでしょう。
説明もわかりやすく、「自分を思いやるとはどういうことか」がイメージしやすい良本だと思います。
それからもう1冊。
セルフコンパッションの教科書的な本はないかな…と探してみたら、いい本が見つかりました。
セルフコンパッションのやり方が順を追って説明されており、ボリュームもかなりのもの。読みごたえアリです。
つらい感情との向き合い方・良い面を見る方法などが懇切丁寧にまとめられているので、何度も読み返したくなりそうです。
どちらも良本だと思うので、もしセルフコンパッションについて学んでみたいと思ったら手に取ってみてくださいね。
鬼教官は、あなたを守るために存在していた
以前は、自分の中の鬼教官が大嫌いでした。
でも今ならわかります。
鬼教官は、憎くてあなたを責めていたんじゃありません。
あなたがまわりから嫌われないように、危険な目にあわないように、
全力で守ってくれていたんです。
そしてあなたにはもっと能力があるはずだ!と心の底から信じてくれています。
これが愛でなくて、何だというのか…。
セルフコンパッションを始めるようになってから、私は鬼教官の愛情=自分に対する愛に気づきました。
自分を嫌い嫌いと思い続けていたけれど、実は自分を心から愛していたんです。
期待が大きすぎて、責めずにはいられないほどに。
そして長年敵だと思っていた鬼教官に感謝し、お別れすることができました。
自分責めの声がなくなると、生きづらさは各段に減ります。
そして自分への愛があふれてきて、あふれた分をまわりの人に与えられるようになります。
「人には優しく、自分に厳しく」ではなく「人にも自分にも優しい」
これが自分も含めて、全員がハッピーになれる方法ではないかと思うのです。
ネガティブになりやすい方・メンタルや体調不良に悩んでいる方は、ぜひ試してみてください。
超オススメだし、一生使えるスキルだと思いますよ!