「無痛分娩をやりたいのに『痛みを経験した方が愛情がわく』『リスクは避けた方がいい』と言われた」っていう声、よく聞きますね。
どっちの言い分が正しいか、なんて言い出したらキリがありませんが、
私自身は1人目の普通分娩があまりにツラくて、2人目を無痛で産みました。
だからもし同じような悩みを持っている人がいたら、背中を押してあげたいなと思って今回の記事を書いています。
個人的な意見なので、詳しいリスク等はしっかり調べてから判断してくださいね!
無痛分娩に反対されてツライ!
発言小町やYahoo!知恵袋などを見ると、
- 痛みに耐えてこそ、出産の感動が味わえる
- お腹を痛めた子だからかわいい
- 痛みから逃げようとするのはずるい
- リスクは負わない方がいい
という意見がたくさん見られます。
無痛にしたいな、と思っているときに身近な人(夫・実母・義母)からこういう言葉をかけられると、こたえますよね。
私は2011年に、下の子を無痛分娩で出産しました。
1人目の出産がトラウマだったため、無痛分娩ができる産院を見つけてようやく2人目出産にこぎつけたのですが。
当時も無痛分娩に対する批判はたくさんありました。
ただ、あれから10年以上たっているのに状況がほぼ変わっていないことに、正直びっくりしています。
フランスやアメリカみたいに、あっという間に無痛分娩が浸透すると思っていたのに…。
そもそも母って強くないといけないの?
こういう意見の根本には、「母には強くあってほしい」っていう願いがあるんだろうなと思います。
痛みに強いのと、精神的に強いのとはまた別だと思うけどにゃ~。
ガマンできる人=強い っていう、日本特有のアレですな…w
生まれたばかりの赤ちゃんは無力なので、もちろん親ががんばらないといけない局面もたくさんあります。
でも別に、生んだ瞬間から強くなろうとしなくていいです。イヤ、無理ですから(^_^;)
私は母親を18年やっていますが、結局強さなんて持てないままでした。
でも以前は「子どもの前ではしっかり者でいなきゃ」と無理していたんですよね。
まさに外はハリボテ・中はスカスカ。
ガマンしすぎて、定期的に怒りを爆発させていました。
でもそんな風に不安定になるくらいなら、弱いままでいいんです。
甘えたくなったっていい。「痛みは苦手だから」とハッキリ口にしていいんですよ。
「母は強い」っていうことにした方が、きっと社会全体にとって都合がいいんでしょうね。(強い方が家事・育児・仕事・介護の担い手として役立ちますから)
でもそれに従う必要はありません。
弱さに打ち勝ちたいと本人が決意するならともかく、まわりからの押し付けには屈しなくていいです。
どうか世間の声に惑わされず、自分の声を優先してくださいね。
自分で自分を、責めていないか
まわりの人から反対されて、傷ついてしまう…。
こういうときって「いや無痛一択で。だって無痛が効率的だし」と迷いなく思っていたら、そこまでダメージを受けないと思うんです。
気持ちが揺らぐのは、自分の中にもやっぱり「ガマンは美徳」っていう思い込みがあるんじゃないでしょうか。
「ガマンは美徳」っていうナイフを最初から体にギリギリ押し当ててるから、まわりに同じことを言われるとグサーッと深く刺さっちゃう💦
最初からナイフ自体がなかったら、まわりの言葉なんて気にならないと思います。
後にも書いていますが、自分責めが一番やっかいです。
ほかの人からの攻撃は逃げたり避けたりできるけど、自分からは逃げようがないですから。
これから子育てを始める方には特に、「ガマンは美徳」っていう思い込みを手放してもらいたいです。
コレが強すぎると…詰みます。マジでw
実際に無痛分娩をしてみた体験談
私が無痛分娩をしたときに感じたメリット・デメリットはこんな感じです。
①出産するのが怖くなかった
②痛みがほとんどなかった
③出産する瞬間を心ゆくまで味わえた
④産後の回復が早かった
⑤家族の負担も少なかった
無痛分娩をしたときに感じたデメリット
①費用がやや割高
②麻酔がきかない箇所があった
③「普通分娩でいいじゃない」という声にモヤモヤ
④お産とは思えないほど、あっさり終わる
※私は感じませんでしたが「分娩時間が長引いた」「副作用で頭痛や吐き気が起きた」「お産が早く麻酔が間に合わなかった」などのデメリットを感じた人もいるようです。
私自身は、はっきりと「やってよかった」と思いました。(デメリットが気にならなかった)
特にやってみて驚いたのは、メリット③。
子宮口が全開なのに、携帯で「今から産むよ~」と家族に電話するくらい、のほほんとした雰囲気でした。(看護師さんが電話してOKですよ、と言ってくれたので)
分娩室の天井をゆっくり見上げながら、いろんなことを考えましたね。
「感動がない」なんてことは全然なかったし、丁寧にお世話してくれた産院や、費用を出してくれた家族に心から感謝できました。
怖くなかったので付き添いも断り、家族は通常通り通勤・通学していました。
ただ膣口のあたりだけ麻酔があまり効いてなくて、出る瞬間は「イタッ」と声が出たけど💦
だからといって普通分娩が悪、とも言えません。
つらかったけど、確かに時間がたてばいい思い出だし、ともに死線をくぐった長男とは戦友のような気持ちでいますw
「あの痛みにくらべれば…」と、痛みにガマン強くなったのもあるかも。
どちらも良し悪しがあると思いました。
無痛分娩してもいい、しなくてもいい
普通分娩と無痛分娩、どちらにもメリット・デメリットがあります。
だからどちらを選んでも正解ですが、唯一やめてほしいのは「反対されたからやめた」という選択。
せっかくの親子最初の思い出が、苦々しいものに変わってしまいます。
子育ては2人でやりますが、出産は女性がおこなうもの。
だから自分の意見を優先させていいと思います。
「納得いくお産がしたいから、協力してほしい」ときっぱり伝えてください。
痛みを味わうのはあなたなんですから、あなたの選択を変える権利は誰にもありません。
自分で納得して選ぶ、というスタイルはその後の子育てにおいてもすごく重要です。
特に母親はいまだに「自分を犠牲にして子どものために尽くす」というスタンスを求められがち。
でも子育てする上で大事なのは、いかに自分の心も守っていくかだと思うのです。
自分もちゃんと満たしてこそ、純粋な心で子どもを愛すことができます。
私は子どもが幼いとき、自分の心をすっかり置き去りにしていました。
その結果自分の体を壊し、家族にも負担をかけるという結果を招きました。
だからこそ強く言いたいと思います。
強い母にならなくていいです。自分の本心にしっかり耳を傾けてください。
言葉を尽くしても、相手に思いが伝わらないことがあるかもしれません。結果的に思い通りの選択にはならないかもしれません。
でも自分を大切に扱えた、という経験は、大きな自信につながるはずです。