日々子どもと向き合う中で「子育て向いてない…」「母親になんてならなければよかった」という気持ちにさいなまれること、ありませんか?
でも「そんな風に思うなんて、私はなんてひどい人間なんだ」と自分を責めたり。
思い切って誰かに打ち明けたけれど、全力で否定されてかえって傷が深くなったり。
そういう経験を持つ人も、多いんじゃないでしょうか。
私も似たような後悔を、ずっと持っています。
毎日悔やみ続けている、というほどではないけれど「もっと違う人生があったんじゃないか」と思うことはよくあります。
でも長年、その気持ちにフタをし続けてきました。
心の中にずっと得体のしれないモヤモヤがあって、でも言葉にならなくて…
でも、そんなときにある本を読んで「これだ!」と気持ちがクリアになったんです。
今日はそんなお話をしたいと思います。
自分の人生をあきらめなければならないという恐怖
発売以来、何度か話題になった本ですね。
以前から読みたかったんですが、先日やっと手に取ることができました。
この中で「子どもを産んで、自分の自由が永遠に失われた」と言っている人がいたんです。(文章そのものは忘れてしまいましたが、確かそういうニュアンスの話だったと思います)
この言葉を聞いた瞬間に、今まで漠然と感じていたモヤモヤが、ストンと腹に落ちた感覚がありました。
ひとたび子どもを産むと、その子が成人しても、遠くへ行っても、「母親」という事実は一生ついてまわります。
野生動物のように、大人になったら互いに一切干渉しない…という風にはいきません。
あまりにも重い責任だし、その事実に対しどこかに閉じ込められたような・自由がなくなったような恐怖を感じるのは、あたりまえのことだと思うんです。
「誰かのために生きる人生」も素敵だけれど、だからといって「自分の人生」を永遠にあきらめたくはない。
この胸のモヤモヤは、自分の魂からのSOSなんじゃないかと思いました。
子どもがかわいいから、自分を後回しにする日があったっていいんですよ。でもね…自分の人生は自分だけのものなんです。❝脇役❞でい続けるって、やっぱり不自然なんですよ。
「社会からの期待が重すぎる」問題
重たすぎて、どこにも行けません…
世の中の、女性への期待ってすごいですよね。
「ケア役として子どもや家族を優先」しつつ、「外で自己実現」して、「女性らしく自分磨き」も忘れないで、って…。
・・・・・。
できるかーーーい!!((((;゚Д゚))))
って叫びたくなります。
千手観音じゃあるまいし…。
「母親業に全力で!」と言われてた頃に比べると精神的には楽になったのかもしれないけど、とにかく求められるものが多すぎます。
人間の体って1つしかないので、全部を満たそうとすると、単純計算で1つあたり30%くらいしかエネルギーを割り当てられないと思うんです。
でも世間って、「母親業30%の力でやります」では認めてくれなさそう…。
少なくとも80%くらいはエネルギーを出そうよ、と。
どう考えてもムリですよ💦
子育てに80%、仕事に80%、これだけでも100%を軽く超えちゃいますから。
何が言いたいかって言うと、後悔が強くなってしまう理由の1つとして、単純に「エネルギー不足」もあるんじゃないかってことです。
(体が弱ると、メンタルも悪化しますから💦)
しかもそれだけのパワーを割く生活を、自分自身は心から望んでいるでしょうか?
「母親になって後悔してる」の中には、「母の役割が嫌だからといって、社会でバリバリ働きたいわけでもない、自分のペースでゆっくり過ごしたいだけなんです」と言っている人もいて、そうだよね、そういう人もいるよねって思いました。
女性を「子どもに尽くす母」か「バリキャリ」のどちらかに二分する風潮があるけれど、それは社会にとって都合がいいだけ。「ゆっくりマイペースに暮らしたい」があってもいいと、個人的には思います。
私も自分の中に「マイペース願望」があることに気づいてから、仕事量を減らすよう工夫しています。
このままだと子どもや家族を恨んでしまいそうだな、って思ったからです。
後悔する気持ちは、否定しなくていい
話を戻しますが、「後悔している」って思うことは何ら恥ずかしいことではないと思います。
だってそれが今の、本当のキモチなんですから。
心の中に葛藤があるからといって、子どもの人格や人生そのものを否定しているわけじゃありません。
「後悔してる」って心の中でずっと悩んでいる人って、むしろ責任感が強すぎてしんどくなってるケースが多いと思います。
(この本の中には後悔し続けている母がたくさん出てきますが、おそらく実生活では子どもの面倒をよくみている人ばかりなんだろうなと感じました)
気持ちは、おさえつけるとどんどん大きくなります。
だから感じ切ってあげた方がいいです。
「後悔してるんだね、そりゃそうだよね。自分を置き去りにしてるもんね」と
認めてあげて、できるだけ自分が今望んでいることをかなえてあげてください。
もし信頼できる人がいたら、その人に吐き出してみてもいいと思います。
いきなり「母になった自分を後悔してる」と言うと相手がパニックを起こす可能性があるので笑、「子どもは大事だし、すばらしい子だと思ってるんだけどね…」とクッション言葉を置くといいんじゃないかな。
母だろうが、子なしだろうが、結婚していようがいまいが、この世界で一番大事なのは自分なんです。
順番を間違えるとどこかでひずみが生まれます。
子育て中の方であれば、自分の中にいる「子ども」の部分も認めて、その子をちゃんと満たしてあげること。
(その子を「長女」、目の前の子は「次男」「次女」と見なすくらいがちょうどいいかも(*^-^*))
もし後回しにせざるを得ないなら、自分の中の「子ども」の気持ちまでは否定しないこと。
この心がけが、結局は自分やまわりの人を救うことになると思います。
自分を満たすことを心がけると、不思議と今度は見返りを求めることなく与えられるようになります(しかも喜んでできる)。そして相手にもその気持ちが伝わるのか「いつもありがとう」と言われることが増えます。良いことづくめですよね✨
人生のどんなステージを迎えても、まずは自分優先で。
そして無理のないペースで、周囲に愛情を渡していく。
それが当たり前の世の中になるといいなあって思っています。
↑今回紹介したこちらの本、共鳴する部分があまりに多くて、読んでいてちょっとしんどかったです💦
でも私を含め多くの母親が感じているモヤモヤの正体を、見事に言語化してくれていました。
ぜひ一度手に取ってもらいたいし、いろんな立場の人に読んでもらいたいです。
【実際に読んだ人のレビュー】
母親になるということは、自分が主演の舞台から下り、主演の座を引き渡すようなことなのかもしれない。
母親になることは取り返しのつかない決断にも関わらず、子供を持つのは自然なこと、母親は子供の世話をしたいはずだと社会的に選択を促されている。そのことで不可視化される母親の後悔をこの本では読むことができる。
女性なのだから、と母親になることを選びたがらない自分はダメなのだろうか?その気持ちはどこからやってきているのかを探り、違和感のモトを見つけてくれた本。
引用元:読書メーター