もくじ
出産から始まった長い不調。「母は強くあるべき」と思っていた私
下の子を出産したのはもう15年近く前のこと。
そのとき私は産後うつになり、そこから10年ほど、体調がまったく戻りませんでした。
腹痛、頭痛、だるさ、メンタルの波。薬を飲んでも効かず、自分を責め続ける日々でした。
思い返してみれば…。
もっともつらかったのは「眠れないこと」。
「母親なんだから細切れ睡眠でもなんとかなるはず」
そんな根性論を信じて、無理にがんばろうとしていました。
けれど、私には合いませんでした。
そして子どもが中学生になって別の部屋で眠るようになり、やっとぐっすり眠れるようになった途端、体も心も一気にラクになったんです。
質の良い睡眠ってね…ほんとにね、ほんとに大事なんです!
「母は強くなくちゃ」という呪いに、自分を追い込んでいた
私は、「母性」=「強さ」「無償の愛」と思っていました。
だから、怒りっぽくて、不安定で、自己嫌悪ばかりの自分が、どうしても許せなかったんです。
でも本当の私は、産後、とても弱かった。
ちょっとした言葉に傷つき、夫が敵に見え、1人でいるのが怖くてたまりませんでした。
ぼっち好きのひいろさんですらそんなことに…。
そうなの。特に夕方になると赤ちゃんと2人きりなのが怖くて怖くて…💦
でも「これが母になった女性のリアルなんだ」と気づいたとき、少しだけ心が軽くなりました。
「母」という生き物は、ホルモンの変化や脳の働きによって、敏感で不安になりやすいものなんです。
(むしろ強さとは真逆!)
この「弱さ」は、決して欠点ではなく、子どもを守るための本能でもあります。
敏感で不安になりやすいからこそ、子どもの変化に早く気づけるんだよね…。
そしてこれは、パートナーをはじめ「周りの人」にも伝えたい

出産というのは、人生の一大イベントであり、体も心も劇的に変化します。
私は出産後、自律神経がうまく働かなくなりました。
ほかにも熱を出しやすくなった人、婦人科系の病気にかかった人、メンタルが不安定になった人など…。
本当にたくさんのママたちが、何らかの不調を抱えていました。
出産は、コスパやタイパでは計れません。
そもそも妊娠できるか、無事に出産できるか、健康に育つか、母体が元に戻るかさえわからない…。
ある意味ギャンブルのようなものです。
それほどまでに命を育てるというのは重たい営みで、
その営みを自分の心身に引き受けるということは、感謝に値することだし、「奇跡」ともいえると思います。
そしてパートナー、祖父母、ママ友、ご近所、学校関係者…すべての人を巻き込まないと、とても1人ではこなせません。
それなのに、どこか他人事になってしまう人(特に夫!)のなんと多いことか…。
出産育児にどこか無関心 = 肉食獣の前に妻子を置き去り
みたいなもんですよ!(メンタル的にそんな感じ)
「産後の恨みは一生」って言われるワケが、わかった気がする…((((;゚Д゚))))
最大限のリスペクト&感謝をお願いしたいです。(あとフォローも!)
強い母にならなくてもいい。まずは「自分をいたわること」から
「強い母」であろうとするあまり、自分の心と体を置き去りにしてしまった10年間。
それでも今、こうして少しずつ元気になり、「自分をねぎらいたい」と思えるようになりました。
今の私は、子育て期を経て、少しずつ「女性脳」から「男性脳」へと変化してきている気がします。
感情に揺れにくくなり、物事を論理的に考えられるようになって、ずいぶんラクになりました。
だからこそ以前の自分が『期間限定の、子育てのための自分』だったことに気づけたんです。
でも子育て真っただ中のころの私は、とにかくつらかった。
その時期を必死に乗り越えてきた自分を、私はようやく「よくがんばったね」と認められるようになりました。
「私って弱い母かも」と思ったら…それでいいんです

最後に、もし今「こんなに弱くて大丈夫かな…」と不安になっているお母さんがいたら、私はこう伝えたいです。
弱くていいんです。
10代から生理と付き合い、妊娠しても「病気じゃないんだから…」と言われながら不調に耐え、
出産時には交通事故並のダメージを負い、眠れぬ育児に突入…。
それでも笑って乗り越えなきゃいけないなんて、ムチャですよね。
笑顔でがんばれる人は、それでいいと思います。
でもガマンできなければ、泣いてもいいし、誰かに頼っていいんです。
まずは、自分を「よしよし」してあげてください。
あなたが今、生きていて、子どもと向き合っていること自体が、もう十分すぎるほどがんばってる証なんです。