「群れるのが苦手」「誰かといても、なんだか疲れる」「人はいずれ去っていくものだし」
そんなふうに感じていませんか?
私自身、誰かと一緒にいるより、一人で過ごす方が安心できるタイプです。
友人・仲間を作ろうとこれまで自分なりに努力してきましたが、関係を深めようとするとうまくいかず…。
親しい間柄でも、つかず離れずを保っている感じです。
そんな自分をわれながら「変わってるな~」と思っていたのですが、
そんなとき出会ったのが、由佐美加子さんという方が提唱されている「メンタルモデル」という考え方でした。
もくじ
メンタルモデルって?
この書籍に書かれていた「ひとりぼっちメンタルモデル」という概念を知って、びっくりしました。
まさに自分のことだったからです。


メンタルモデルとは、私たちが無意識に持っている「自分はこういう人間だ」「世界はこういう場所だ」という思い込みのこと。
由佐美加子さんは、人は誰しも4つの“根源的な痛み”を無意識に抱えていて、それをベースに生き方や人間関係のスタイルができているといいます。
その痛みから自分を守るために発動するのが「メンタルモデル」です。
メンタルモデルは4つに分類されます。
- 価値なし:「私には価値がない」
- 愛なし:「私は愛されない」
- ひとりぼっち:「私はしょせんひとりぼっちだ」
- 欠陥欠損:「私には何かが決定的に欠けている」
メンタルモデル | 根底にある痛み | 無意識に求める理想の世界 |
---|---|---|
価値なし | 私には価値がない | 自分も他人も成果とは関係なく、ただ存在しているだけで価値が認められている世界 |
愛なし | 私は愛されない | 無条件の愛があたりまえに存在し、誰もがありのままの自分を認め合える世界 |
ひとりぼっち | 私はしょせんひとりぼっちだ | 誰にも依存せず、それでも深い部分でつながっている感覚のある世界 |
欠陥欠損 | 私には何かが決定的に欠けている | 凸凹のままで人は完全であり、誰もがどこでもそのままの自分でいられる世界 |
価値なしと、欠陥欠損の違いがよくわからないんだけど…。
「価値なし」と「欠陥欠損」はどちらも「自分には足りない」という感覚を抱えているので、似てみえますね。
でも向いているベクトルが違うんです。
価値なしモデルが足りないと感じているのは、他人からの評価。だから外に目が向きやすく、他者の目に過剰に反応しがちなの。
欠陥欠損モデルが足りないと感じているのは、内面的な完成度。だから内に目が向きやすく、自分を厳しく見る傾向があるよ。
私は「ひとりぼっちモデル」かもしれない

私がこの話を初めて知ったとき、特に強く響いたのが「ひとりぼっちモデル」でした。
- 人はいずれ離れていくもの
- 誰かに頼りたくない、頼られたくもない
- 執着はしない、束縛もされたくない
- 一匹狼でいたい
そんな風に思うことが多かったから。
でも、別に冷たいわけじゃないんです。
誰かと一緒にいることが嫌なわけじゃなくて、「誰かに合わせすぎて自分を見失うくらいなら一人でいた方が楽」と感じるだけで…。
「好きにしたらいいよ」「来るもの拒まず、去るもの追わず」なんて言葉に安心する人は、ひとりぼっちメンタルモデルが強い人かもしれないね。
ひとりぼっちモデルは、人が自分から去っていく痛みに耐えられないため、先に自分から距離を置こうとする傾向があるそうで…。
思い当たるところがありすぎます💦
ひとりぼっちモデルの“進化”とは?
とはいえ、この「メンタルモデル」は“壊す”ものではなく、“成長していく”ものだそうです。
ひとりぼっちモデルが人生の中で向かうのは、「ワンネス(すべてはひとつ)」への回帰。
スケールでか!
つまり、個としてしっかり自立しながらも、「私たちは生命として深いところでつながっている」と感じられる境です。
「自分で立っているけど、孤立はしていない」
「誰かに頼らなくても、世界と断絶していない」
そんな世界観に近づいていくとき、ひとりぼっちモデルの人はもっと自由に、のびのびと人生を生きていけるようになります。
しょせん分かり合えない、しょせん離れていくから心を通わせない…。
という分離の心じゃなくて、
わたしはあなた。あなたはわたし。(バージョンが違うだけ、みたいな?)
すべてはつながっているので、安心しようね。
っていう感覚を持つのが、ひとりぼっちモデルにとってのゴールかもしれません。
人類みんなが持っている、4つの痛み

チェックリストなどを見て、「私はこのモデル!」と決めるのももちろん楽しいのですが、
実はこの4つのメンタルモデルは人類全体が持っているものなんだそうです。
血液型や、MBTIのようにタイプを特定するものではないんだね。
つまり、誰もがどれかのモデルに偏りつつ、すべてを内側に抱えているってことです。
私自身も、チェックリストでは「ひとりぼっち」が最も強く出ましたが、
「欠陥欠損」もかなりあるように思うし、昔は「価値なし」っぽい思い込みで動いていた時期もありました。
なので、「これだ!」と特定するよりも、
「私はこのあたりの痛みを強く感じやすいかも?」というヒントとして受け取るのがちょうどいい気がします。
意識の発達5ステージ
『ザ・メンタルモデル』の中では、私たちの意識が段階を経て進化していく「5つの発達段階モデル」も紹介されています。
- 適合期
- 直面期
- 自己統合期
- 体現期
- 自己表現期
① 適合期
外の世界に必死で適応しようとし、それがうまくいっているように見える時期です。
まわりから認められること・愛されることにフォーカスを当てているので、
外界のルールに、いっしょうけんめい自分を合わせようとします。
「こんな現実は望んでないんだけど、でもみんなそうやって生きてるし、がんばるしかないよね…」
と自分をふるいたたせている段階です。
心の中はボロボロだけど、外からはそう見えません。
② 直面期
今までのやり方が通用しない、決定的な「何か」が起こり、自分の本心に向き合わざるを得ない時期です。
本人の望みとは関係なく強制終了となり、とりつくろうことも難しくなります。
大病だったり、大事な人との別れだったり、今いる環境から切り離される経験だったり…。
けっこうキツイことが起きます💦
最初は「私ってなんてアンラッキーなんだ!」と思いますが…。
③ 自己統合期
自分の内面に意識が向き始め、「本当はどうしたかったのか?」という深い問いに気づき始める時期です。
直面期で外側がどうにもならなくなり、内側を見ざるを得なくなりますが、
この期間に自分の心としっかり向き合うことで、本来望んでいた世界も見えてきます。
今まで見ないようにしていたポンコツな自分も、そのままでOKと思えるようになってきます。
④ 体現期
自分の望んでいた世界を、実際に外側の世界で実現していく時期です。
今までないと思っていた愛・つながりも、実はあったことに気づけるので、充足感とともに生きることができます。
その満たされた姿が自然とまわりに伝わり、外側の環境も「ない」→「ある」へと変わっていきます。
今までは「外から幸せが来るから、幸せになれる」だったのが、
「私は幸せと感じる(幸せと決めている)から、外も幸せ」に変わるんだね。
⑤ 自己表現期
自分の本来やりたかったことに目覚め、周囲に影響を与える生き方をしていく時期です。
ここで出てくるのが、メンタルモデルにあった「理想の世界」。
自分の内側にあるものをありのまま表現していくだけで、自然とまわりに気づきを与え、理想へと近づいていけます。
「認められたいから~」とか「実力を見せたいから~」とかじゃなくて、
自分の中にある愛を、みんなと分かち合いたい…そういう気持ちかな。
まとめ。ひとりぼっちになりたい人は、実は深くつながりたい人かも。

このモデルを知っておくと、「今の自分はどの段階かな?」と自分を俯瞰して見つめやすくなりますね。
由佐さんによれば、適合期のまま人生を終える人も少なくないようで…。
古い世代は特に、そういう傾向強そうだよね。
表面的には挫折しているように見えるかもしれませんが、
直面期~自己統合期に入れることは、長い目でみればラッキーなことなんじゃないでしょうか。
私はこの考え方を知って、衝撃を受けました。
そして今までは「去る者追わず」を貫いていたのが、最近は「本当はさみしい」という気持ちにも目を向けられるようになっています。
(それはそれで痛いんだけど、痛みを持ってることに気づくのが大事かなって)
私と同じで、もしかするとあなたも、
ひとりぼっち願望の奥に、深くつながりたいという純粋な願いが隠れているかもしれません。
もし気になったら、一度読んでみてくださいね。
最後までご覧くださり、ありがとうございました(*^^*)
↓「ザ・メンタルモデル」は特にぶ厚いので、時間をかけてじっくり読むのがおすすめ♪

