思春期の子育ては、親にとって大きな転換点です。
特に中学生になると、子どもは大人と子どもの狭間にいて、自我が芽生える一方で、
親のほうは「まだまだ子ども」と思い込み、知らず知らずのうちに境界線を越えてしまうことがあります。
親として子どもを心配するのは当然。
でもその「心配」からくる行動が、思春期の子どもにとっては「管理」や「支配」と受け取られることも少なくありません。
もくじ
アドラー心理学の「課題の分離」は子育てのヒントになる
アドラー心理学には「課題の分離」という考え方があります。
これは「誰の課題なのかを明確に分ける」ということ。
↓発行部数は全世界累計1,350万部におよぶ、超ロングセラー「嫌われる勇気」に、課題の分離について詳しく書いてあります。

人間関係をラクにするヒントが書かれた本ですが、子育てにおいてもバイブルになる良書だと思います♪
たとえば、子どもが勉強しない。
このとき「勉強しないことで将来困るのは誰か?」と考えると、それは子ども自身の課題です。
いっぽう「このままでは将来が心配」と不安になるのは親の課題。
そして「なんとかさせなきゃ!」と思って行動するのもまた、親の課題です。
親が子どもの課題に踏み込みすぎると、関係がこじれやすくなります。
思春期に必要なのは「バウンダリー(境界線)」
思春期の子どもと良好な関係を築くには、お互いの境界線をはっきり引くことが欠かせません。
ではここでもう1冊、思春期子育てにぴったり!と思った本を挙げさせてもらいますね。

10代の心を守るための考え方が、とても丁寧に紹介されています。
大人に向けてのアドバイスもあるので、親ごさんにもおすすめしたい本です♪
バウンダリーとは、精神的・身体的な「一線」。
どこまでが相手の自由で、どこからが自分の課題なのかを知ることは、親子関係においても非常に重要です。
私自身の体験から
私も、かつて長男に対して「勉強はこうした方がいいよ」「もっと計画的にやったら?」とよく口出ししていました。
今の時間を無駄にして、後悔してほしくなかったから。
でも思春期に入ったある日、普段はおとなしい彼が「自分のやり方でやるから」とはっきり言い返してきたんです。
そのときハッとしました。
私が「後悔してほしくない」と思っていたのは、誰のため?
彼の人生のためというより「親としての成果」がほしかっただけなのかも…。
子どもの未来を心配しているようで、その実、
「まわりからちゃんとした親に見られたい」「不安を消したい」と、自分の課題を子どもに背負わせていたのです。
子どもは、親の不安を満たすために生きているわけじゃない
10代の子どもでも「自分が1人の人間として扱われていない」ことには気づきます。
私自身中学生のときに大人たちが、口では「自主性を大切に」と言いながら、
期待に沿わない行動をされると不機嫌になったり、
「あなたのためだから」と理屈で誘導したりする姿に不信感を持っていました。
だからこそ、自分の子どもには同じことをしたくない。
でも実際には、知らないうちに同じことをしています。
(気づいて自己嫌悪する場面が多々ある💦)
不安と共存しながら、境界線を尊重して見守る
親が不安になるのは自然なことです。
社会は不安定で、自分も苦しい経験をしてきたからこそ、子どもにはできるだけ傷ついてほしくないですよね。
でもその「不安」によって子どもの課題に介入してしまえば、子どもの自立は遠のきます。
思春期の子どもと良い関係を築くには、境界線を引き直すこと、
そして不安と共存しながら見守る姿勢がなにより大切なのだと、
今の私は感じています。
まとめ。
子どもが思春期に入ったら、親は「課題の分離」を意識する
親と子、それぞれの課題に線引きをする「バウンダリー」が重要
不安に振り回されず、子どもを信じて見守る力を育てよう
↓先ほど紹介した2冊は、思春期の子育てにすごく参考になりました。
「子育ては親育て」と言われるくらい、子どもを育てることは親自身にとっても大きな学びとなります。
特に思春期の子育ては、難しいけれど、その分親レベルを飛躍させるチャンス。
よかったらあなたも一度、手に取ってみてくださいね。

